ギターを指で弾くスタイルの場合は、
ほとんどの場合伸ばした爪で弾きます。
爪の削り方磨き方は特別難しい物ではないと思われがちですが、
最適な状態に仕上げるにはかなりの熟練度が必要です。
爪の性質は人それぞれで、ある程度は独自の研究が必要になります。
そこで、必ず心がけなければならない事を解説します。
伸びるのが早い。
演奏による磨耗に対応しやすくなる。
適度に硬い、かつ適度にしなやかさがある。
演奏による磨耗が少ない、また割れにくい。
これは経験値上の事で科学的検証がある訳ではありませんが、
しなやかな爪をもっている方の音は非常に魅力的です。
女性に多く見受けられます。爪の硬い方は、お風呂上りに試してみて下さい。
指先から見た時の丸みが少ない、つまり平ら。
弦につまずく事が少なくなる、また磨きやすい。
同じく指を横から見た時の丸み、巻きクセがなく平ら。
同上。
爪の形状には、さまざまな流派があり、それぞれメリット、デメリットがあります。
- 丸型:可もなく不可もない。もっとも標準的と言えるでしょう。
- 準三角型:指の力が強い人向け。音量を出しやすいが、引っかかる部分ができやすい。
- 逆三角型:メロディー主体で、かつスピーディーな演奏に向いていますが、引っかかる部分がもっともできやすい。
- 複合型:丸型に、いずれかの三角形型を複合させたものです。
それぞれのメリットを兼ね備える事ができますが、設計、形成、メンテナンスが難しい。
爪の長さ
弦に対して指頭が先に当たり、肉がたわんで軽く爪が当たる長さが理想です。
肉のたわみ方や指頭から爪へのタイムラグは微妙なものなので、調節にはそれほど幅がありません。
基準となる長さから±0.5ミリ程度でしょう。
削る
- 理想の形に大まかに削る。力で削るとたわんだ形で削れてしまうので軽い力で手数で削る事。
この作業は紙やすりより硬いやすりの方がやりやすいと思います。
- 1200〜1500番の紙やすりで形を整える。
- 同じ紙やすりで、今までの作業で出来た角を全て丸く削る。
磨く
- 2000〜3000番で、削った面を全て磨く。
- 新聞紙などで、光が反射するまで磨いて仕上げ。
少なくとも磨く工程だけは毎日行なってメンテナンスしましょう。伸びてきたら最初から行ないます。
欠損しておらず、補強で対処できる場合。
必要な物:補強材と瞬間接着剤。
- 接着剤がよくつくように爪を注意深くよく洗う。
- 補強材を爪の形に切る。生爪全部をカバーする大きさにすると、
爪質を弱くしてしまいます。生爪半分程度までの大きさでいいでしょう。
弦に当たる部分は、仕上げ代分の大きさが必要です。
- 補強材を爪にかぶせ、接着剤を塗る。しわにしない事。
- 爪の削り方を参照して補強材と共に爪を仕上げる。
補強材は、良質な物の順に
- 薄くて良質な絹の布。ただし高価
- 煙草の巻き紙
- ティッシュペーパー
瞬間接着剤は、良質な物の順に
- 釣り糸用の耐水性の物
- 通常の液体の物
- ゼリー状の物
欠損して演奏不可能な場合。
何らかの物を継ぎ足して爪の代用にするしかありませんが、
自らそれを行なうのは結論から言って全くおすすめできません。
ネイルサロンでお願いするのが確実です。
しかし自分で対処しなければならない状況もあるでしょう。
その場合は以下の物で代用して下さい。
- ピンポン玉を切った物
- 日頃から伸ばしておいた足の爪
- 女性用の付け爪で、しなやかな材質の物(ナイロン?製の物が良かったです。)
- 補強材を何枚も重ねる
爪を割ったり折ったりしやすい状況をまず考えましょう。
- 爪が長い。
- 物に引っ掛けやすい形にしている。
- 強度の弱い形にしている。
- 空気が乾燥している季節、地域。
- 風呂上り等、水分を吸収している時。
- 栄養状態が悪く強度が弱い。
これらに気を付ければ破損をかなり予防できる筈です。
しかし最も大切なのは、爪にとって危険な動作はできるだけフレットハンドで行なう事です。
皮肉な事に、爪での演奏が上達している方ほど爪を使う動作を発動しやすい為割りやすいです。
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